Japanese
English
今月の主題 ファーマコゲノミクス
話題
チエノピリジン系薬剤のファーマコゲノミクス
Pharmacogenomics of thienopyridine
田崎 淳一
1
,
堀内 久徳
2
Junichi TAZAKI
1
,
Hisanori HORIUCHI
2
1京都大学大学院医学研究科循環器内科学
2東北大学加齢医学研究所基礎加齢研究分野
キーワード:
チエノピリジン
,
クロピドグレル
,
チトクロームP450
Keyword:
チエノピリジン
,
クロピドグレル
,
チトクロームP450
pp.1183-1187
発行日 2010年10月15日
Published Date 2010/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102417
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1.はじめに
抗血小板薬であるチエノピリジン系薬剤は,心筋梗塞や脳梗塞といった動脈硬化性疾患の予防に非常に重要な薬剤であり,CAPRIE1)をはじめとする大規模臨床試験によってその有効性が明らかとなっている.特に虚血性心疾患に対する経皮的冠動脈形成術(percutaneous coronary intervention;PCI)においては,ステント血栓症予防のためアスピリンおよびチエノピリジン2剤併用による抗血小板療法が必須となっている.しかし,抗血小板療法を行っているにもかかわらずステント血栓症を発症する例があり,抗血小板薬に対する不応性の存在が注目されている.
クロピドグレルは,世界中で広く用いられているチエノピリジン系抗血小板薬であるが,その効果には個人差があることが報告されている2).クロピドグレル不応症の原因の1つとして,薬物代謝酵素であるチトクロームP450(CYP)の遺伝子多型が関与しており,その抗血小板作用や臨床イベントとの関連について概説する.
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