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今月の主題 薬剤耐性菌制御の最前線
話題
耐性菌の疫学調査のための方法論―広島地区での試み
An epidemiological study of drug-resistant bacteria : a regional approach in Hiroshima
菅井 基行
1,2
Motoyuki SUGAI
1,2
1広島大学・院内感染症プロジェクトセンター
2広島大学院医歯薬学総合研究科細菌学研究室
キーワード:
耐性緑膿菌
,
分子疫学
,
MDRP
Keyword:
耐性緑膿菌
,
分子疫学
,
MDRP
pp.547-551
発行日 2010年5月15日
Published Date 2010/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102300
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1.はじめに
薬剤耐性菌はいつの時代でも,感染症治療における重要な問題となっている.近年,新規抗菌薬の開発・市場への導入がなかなか進みにくいなかで,既存の抗菌薬を適切に使用することが求められている.それと同時に,感染制御の立場からは薬剤耐性菌の出現をいかに早く察知し,その伝播を防止するかも重要な課題である.しかしながら,日常の業務のなかで薬剤耐性菌が検出されても,その情報が個々の医療機関の中だけで閉ざされていると,みえてこないものもある.その情報を感染制御に十分に活かすためには地域での様々な工夫が必要と思われる.
本稿では一般的な疫学研究の方法論ではなく,筆者らが広島地区で数年前から実施している耐性緑膿菌の疫学調査を紹介することで,地域での疫学調査の重要性・有効性について論じてみたい.
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