特集 医療・福祉施設における感染制御と臨床検査
各論
2.微生物別の種類別にみた施設内感染制御
4) ウイルス B型,C型肝炎ウイルス
新谷 良澄
1
Yoshizumi SHINTANI
1
1東京大学医学部附属病院感染制御部
キーワード:
B型肝炎ウイルス(HBV)
,
C型肝炎ウイルス(HCV)
,
針刺し
Keyword:
B型肝炎ウイルス(HBV)
,
C型肝炎ウイルス(HCV)
,
針刺し
pp.1423-1426
発行日 2009年10月30日
Published Date 2009/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102136
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はじめに
B型肝炎ウイルス(HBV),C型肝炎ウイルス(HCV)は,血液および体液が,針で刺すなど皮膚を貫いて直接体内に入る,または粘膜に接することにより伝播する.医療現場では,感染者の血液で汚染された注射針ないし鋭利な器具で皮膚を損傷することによる感染が最も多いので,このような事故を未然に防ぐことが特に大切である.針刺し1回当たりの感染リスクは,HCV 2%,HBV(HBe抗原陰性)23~37%,HBV(HBe抗原陽性)37~62%とされており1),HBVにおけるリスクが最も高い.したがってHBV感染予防の原則が正しく守られるならば,HCVの感染予防にも十分である.
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