今月の主題 肝臓癌の臨床検査
総説
肝細胞癌原因の推移
黒松 亮子
1
,
高田 晃男
1
,
佐田 通夫
1
Ryoko KUROMATSU
1
,
Akio TAKATA
1
,
Michio SATA
1
1久留米大学医学部第二内科
キーワード:
肝細胞癌
,
B型肝炎ウイルス(HBV)
,
C型肝炎ウイルス(HCV)
,
NASH
Keyword:
肝細胞癌
,
B型肝炎ウイルス(HBV)
,
C型肝炎ウイルス(HCV)
,
NASH
pp.1185-1191
発行日 2005年11月15日
Published Date 2005/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100282
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〔SUMMARY〕 わが国における肝細胞癌(肝癌)の主な原因は,B型とC型肝炎ウイルス感染であり,全体の90%を占めている.これまでの推移をみると,HBs抗原陽性例は,1970年代には全体の30%台を占めていたが,2000年以降には,10~15%に低下している.一方,HCV抗体陽性例は,1990年以降,全体の70~80%を占め,いまだに低下は認められない.HBs抗原もHCV抗体も検出されない,いわゆる非B非Cの肝癌症例の占める割合は徐々に高くなっている.非B非C肝癌の原因として,B型肝炎ウイルスの潜在感染,アルコール性肝障害に起因する肝癌の他に,最近では,NASHとの関連が注目されている.〔臨床検査 49:1185-1191,2005〕
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