特集 医療・福祉施設における感染制御と臨床検査
各論
1.様々な環境下での施設内感染制御
3) 易感染患者用病室(無菌病室)における感染制御
森 毅彦
1
Takehiko MORI
1
1慶應義塾大学医学部血液内科
キーワード:
無菌病室
,
HEPAフィルター
,
造血幹細胞移植
Keyword:
無菌病室
,
HEPAフィルター
,
造血幹細胞移植
pp.1309-1312
発行日 2009年10月30日
Published Date 2009/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102113
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はじめに
1970年代に米国において第一例目の骨髄移植が施行されて以来,高度な免疫抑制状態にある骨髄移植患者(最近では骨髄移植に加えて,末梢血幹細胞移植,臍帯血移植なども加わり,造血幹細胞移植という表現で総称している.)は感染予防の観点から無菌管理の中で治療を受けてきている.その際に患者が隔離される病室が「無菌病室」である.現在,わが国ではある一定基準を満たした無菌病室は急性白血病を中心とした特定の疾患の治療で使用する場合は健康保険適用上,「無菌治療室管理加算」が認められており,多くの施設において使用されている.
本稿では主に造血幹細胞移植における無菌病室の利点および現状について述べる.
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