特集 医療・福祉施設における感染制御と臨床検査
各論
1.様々な環境下での施設内感染制御
4) 透析施設における感染制御
秋葉 隆
1
Takashi AKIBA
1
1東京女子医科大学腎臓病総合医療センター
キーワード:
標準予防策
,
肝炎ウイルス感染
,
透析
,
マニュアル
Keyword:
標準予防策
,
肝炎ウイルス感染
,
透析
,
マニュアル
pp.1313-1317
発行日 2009年10月30日
Published Date 2009/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102114
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透析患者の易感染性と感染症の重要性
最初に透析患者は「感染に弱い」ことを強調する.
慢性腎不全で透析を受けている患者は細胞免疫の異常,例えば好中球機能,特に貪食能が低下している.この機序として貪食細胞受容体機能低下,運動能低下,化学遊走能低下,接着分子の発現の異常などが指摘されている.また,尿毒症の症状として,低栄養,亜鉛欠乏,副甲状腺機能亢進症,1,25水酸化ビタミンD欠乏症なども易感染性の要因として挙げられる.さらに,頻回の通院・入院,輸血など感染の機会が多いことや,透析室という大部屋で観血的な治療を長時間受けるという環境も,感染症が重要な予後決定因子となっている要因である.
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