今月の主題 脳磁図で何がわかるか?
各論
脳磁図と機能MRIによる優位半球同定と言語機能野の局在
鎌田 恭輔
1
,
太田 貴裕
1
,
川合 謙介
1
,
斉藤 延人
1
Kyosuke KAMADA
1
,
Takahiro OHTA
1
,
Kensuke KAWAI
1
,
Nobuhito SAITOH
1
1東京大学医学部脳神経外科
キーワード:
language function
,
functional MRI
,
magnetoencephalography
Keyword:
language function
,
functional MRI
,
magnetoencephalography
pp.1027-1033
発行日 2009年9月15日
Published Date 2009/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102061
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本稿では脳磁図(MEG)と機能MRI(fMRI)という機序の異なる機能画像の組み合わせにより,信頼性の高い言語機能マッピング法を確立した.対象は頭蓋内疾患を有する138症例である.文字読みMEGは単語を黙読して計測し,単一ダイポールモデルを用いて側頭葉内の文字認知ダイポール数を比較した.語想起課題fMRIでは有意なfMRI信号変化を示すピクセル数の比較を行った.文字読みMEGは上側頭回近傍部と紡錘回に認知ダイポールの集積を認め,その成功率は86.5%であった.語想起課題fMRIは優位側の上・中前頭回に強い活動を認め,82.0%の成功率であった.MEGとfMRIの併用により優位半球の同定成功率は95%となり,Wada testと比較して十分臨床応用が可能と考えられた.本法が確立することにより言語機能局在を詳細に把握することができ,脳神経外科手術計画立案に大きく貢献するものと期待できる.
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