今月の主題 脳磁図で何がわかるか?
各論
聴覚野の情報処理
湯本 真人
1
Masato YUMOTO
1
1東京大学大学院医学系研究科内科学専攻病態診断医学講座
キーワード:
脳磁図(MEG)
,
聴覚誘発磁場
,
音高知覚
,
ミスマッチ・ネガティビティ
Keyword:
脳磁図(MEG)
,
聴覚誘発磁場
,
音高知覚
,
ミスマッチ・ネガティビティ
pp.1019-1026
発行日 2009年9月15日
Published Date 2009/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102060
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脳磁図(magnetoencephalography;MEG)は脳波同様,脳神経細胞群の電気的活動を高時間分解能で捉えることのできる検査法だが,左右の聴覚野の活動がいずれも頭頂付近に電位のピークを作るのに対し,磁場分布はそれぞれの半球に分離して生成されるため,MEGは聴覚野の活動を記録するのにより適している.音高知覚は,場所説と時間説の神経機構で相補的に行われる聴覚系の基本的な情報処理だが,これらに関連する聴覚野の活動をMEGによって捕捉することができる.また,聴覚記憶やイメージとの誤差検出など,より高次の処理も聴覚野で行われている.本稿では主に聴覚野のみによって行われているこれらの情報処理に焦点を絞り,MEGの関連研究を挙げつつ概説する.
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