今月の主題 免疫不全症候群と遺伝子異常
各疾患の遺伝子異常,診断と治療
伴性高IgM症候群(CD40 ligand欠損症)
富澤 大輔
1
,
今井 耕輔
2
Daisuke TOMIZAWA
1
,
Kosuke IMAI
2
1東京医科歯科大学大学院発生発達病態学分野
2防衛医科大学校医療情報部
キーワード:
CD40 ligand
,
免疫グロブリンクラススイッチ
,
造血幹細胞移植
Keyword:
CD40 ligand
,
免疫グロブリンクラススイッチ
,
造血幹細胞移植
pp.575-579
発行日 2009年5月15日
Published Date 2009/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101976
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
高IgM症候群(HIGM)は,免疫グロブリンのクラススイッチの障害による易感染性を特徴とする原発性免疫不全症候群であり,現在,5つの病型が知られている.最も頻度が高いのが,活性化ヘルパーT細胞上に発現するCD40 ligandの異常による,1型(CD40 ligand欠損症:HIGM 1)である.HIGM 1は,抗体産生障害による易感染性に加えて,ニューモシスチス肺炎やクリプトスポリジウム腸炎などの日和見感染症が問題となる,複合型免疫不全症である.適切な感染予防・管理に加えて,適切なドナーが得られる場合には,根治療法として造血幹細胞移植による免疫再構築が推奨される.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.