今月の主題 免疫不全症候群と遺伝子異常
各疾患の遺伝子異常,診断と治療
重症複合免疫不全症(SCID)
久間木 悟
1
Satoru KUMAKI
1
1みやぎ県南中核病院小児科
キーワード:
重症複合免疫不全症
,
責任遺伝子
,
造血幹細胞移植
Keyword:
重症複合免疫不全症
,
責任遺伝子
,
造血幹細胞移植
pp.561-567
発行日 2009年5月15日
Published Date 2009/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101974
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重症複合免疫不全症患者は,乳児期から重症の感染症を繰り返し,骨髄移植などの根本的治療を施さないと救命できない重篤な疾患である.これまでに明らかにされた責任遺伝子は少なくとも17種類あり,サイトカインシグナル系,T細胞受容体シグナル系,T細胞やB細胞の抗原受容体再構成機構,代謝にかかわる分子の異常で発症する.また,同じ遺伝子の変異でも様々な表現型をとりうることも知られるようになってきた.治療は前述の骨髄移植のほか,臍帯血移植,遺伝子治療などが試みられるようになってきている.
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