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筆者が岩手医科大学医学部臨床検査医学講座に着任した2001年5月以来,「医師は患者を診察すべきである」とのスローガンのもとに,検査(専門)医としての検査部での業務以外に,一般診療への参加を模索していた.その結果,2004年6月より「総合診療外来」の担当が実現し,①紹介状を持たない患者の振り分け,②健診で異常値を指摘された患者の受け皿,③一般健康診断(職員検診を含む),などの診療業務を行ってきた.しかし,「総合診療科」は正式な標榜科ではないため,院内措置として「総合診療外来」の看板を掲げていた.また,いわゆる「総合内科」のように病棟患者を受け持たず,入院が必要な患者は関係する内科に紹介していた.院内では「総合診療外来」として単独の収益を毎月集計し運営委員会などに報告されていたが,保険請求上は他の内科に含めて行われていた.
2008年4月1日から医療機関が標榜・広告できる診療科の一つとして「臨床検査科」が新設され,当院でも4月1日から「臨床検査科」の標榜を開始したがこれは全国的にみても迅速な対応であった.その要因として,われわれ検査(専門)医が外来を担当する下地ができていたことが大きかったが,そのほかに当院では当時ナンバー内科から臓器別診療科への再編の動きがあり,それに連動できたのが幸いであった.これまで当院の内科は,いわゆるナンバー内科をそのまま外来で標榜していたため,患者にはわかりにくいものであった.そこで,2008年4月から,第一内科は消化器・肝臓内科に,第二内科は循環器・腎・内分泌内科に,第三内科は呼吸器・アレルギー・膠原病内科のように再編されることになった.また,これまで中央臨床検査部の一部門であった病理診断部門が「病理診断科」として独立した.この流れを受けて「臨床検査科」の標榜も可能になった.
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