連載 アーキテクチャー×マネジメント・83
岩手医科大学附属病院
近藤 彰宏
1
1株式会社日建設計
pp.1026-1031
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211568
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■病院を取り巻く環境/建て替えの背景
岩手医科大学附属病院は盛岡市の中心部である県庁や市役所が立ち並ぶ内丸地区に,1897(明治30)年に私立岩手病院として開院して以来,地域に根差した医療を提供し続けてきた.1982年には東北新幹線の盛岡駅が開業し,盛岡市中心部が発展していく中で慢性的な交通渋滞や駐車場不足が発生し,それまで同じ内丸地区内にあった県立中央病院や盛岡赤十字病院が郊外へ移転していった.岩手医科大学も,駐車場不足の問題に加え,施設の老朽化,敷地の狭隘化が進んでいた.そこで,盛岡南新都市開発整備事業により大型商業施設や住環境の整備が進んでいた盛岡市の南部に隣接する矢巾町への大学キャンパス移転が,創立120周年記念事業として2002年に決定された(図1).約37万haの広大な農地を転用し,2005年から第1次事業として医学部,歯学部,薬学部(新設)のための大学教育施設の整備を行った.これにより3学部の揃った医学系総合大学(現在は看護学部も開設)として矢巾町キャンパスが整備された(図2).
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