今月の主題 自然免疫と生体防御レクチン
各論
細菌に対する感染防御におけるフィコリンの役割
高橋 信二
1
,
青柳 祐子
1
Shinji TAKAHASHI
1
,
Youko AOYAGI
1
1女子栄養大学微生物学研究室
キーワード:
フィコリン-MASP複合体
,
自然免疫
,
細菌感染
Keyword:
フィコリン-MASP複合体
,
自然免疫
,
細菌感染
pp.887-892
発行日 2008年8月15日
Published Date 2008/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101668
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フィコリン-MASP複合体は,抗体の関与なしに補体系を活性化するレクチン経路の異物認識分子である.L-ficolinとH-ficolinは血液中に認められ,M-ficolinは好中球や単球の分泌蛋白質である.L-ficolinは試験管内で,臨床上重要なStaphylococcus aureusやStreptococcus agalactiaeに結合し補体系を活性化することができる.フィコリンは,特に獲得免疫が不完全な新生児や乳児において感染防御に重要な役割を担っている可能性が示唆されている.
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