特集 診療所での上手な抗菌薬の使い方
【診療所における抗菌薬治療】
②呼吸器感染症(下気道)―急性気管支炎,市中肺炎
中浜 力
1
1中浜医院
キーワード:
気管支炎
,
市中肺炎
,
細菌感染
,
非定型菌感染
,
スイッチ療法
Keyword:
気管支炎
,
市中肺炎
,
細菌感染
,
非定型菌感染
,
スイッチ療法
pp.630-633
発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100392
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Question & Answer
Q:呼吸器感染症に,抗菌薬を適正投与しなくてはならない理由は?
A:最大の理由は,“耐性菌抑制”である.現在,臨床で問題となっている外来感染耐性菌は,抗菌薬のオーバーユースが大きな原因と考えられている.
急性気管支炎の現状
下気道感染症である急性気管支炎は,病態によって呼吸器系基礎疾患がない気管支炎と,ある気管支炎に分けられる.後者はとくに「慢性閉塞性肺疾患の急性増悪」あるいは「慢性気道感染症の急性増悪」という病態になり,治療の対応が異なっている.
ところで,健常人の急性気管支炎は通常はかぜ症候群などに続発して発症するため,臨床的には厳密に診断されていない感がある.また,わが国では精度の高い起炎菌の疫学的検証もほとんどなされていない.さらに,医療現場では利用できる外来検査法が少ないことから起炎菌検索もあまり実施されず,ともすれば経験的に治療されているのが現状である.
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