今月の主題 アルツハイマー病の最近の進歩
トピックス
セクレターゼによるAPPプロセシング
富田 泰輔
1
Taisuke TOMITA
1
1東京大学大学院薬学系研究科臨床薬学教室
キーワード:
アスパラギン酸プロテアーゼ
,
アミロイド
,
アルツハイマー病
,
セクレターゼ
,
阻害剤
Keyword:
アスパラギン酸プロテアーゼ
,
アミロイド
,
アルツハイマー病
,
セクレターゼ
,
阻害剤
pp.321-324
発行日 2008年3月15日
Published Date 2008/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101555
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1.はじめに
アルツハイマー病(Alzheimer's disease;AD)の発症機序においては,老人斑アミロイドの主要構成成分であるアミロイドβ蛋白(amyloid β protein;Aβ)の産生亢進もしくは分解低下,それに続く凝集と蓄積などのプロセスが深く寄与する可能性が示されている1).Aβは前駆体蛋白amyloid precursor protein(APP)の内腔側から膜貫通領域内部に相当し,N末端側での切断により総産生量を規定するβセクレターゼ,そしてC末端側の切断により凝集性を規定するγセクレターゼによる連続した切断により産生・分泌される(図).近年これらセクレターゼの分子的実体が解明され,作用機構の理解が進むと同時に,セクレターゼ阻害剤の同定,応用などの成果が製薬企業からも報告されるようになった.
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