特集 遺伝子検査―診断とリスクファクター
3.遺伝子診断の実際
12) 感染症 (9)性器クラミジア・淋菌
狩野 有作
1
Yuhsaku KANOH
1
1北里大学医学部臨床検査診断学
キーワード:
クラミジア・淋菌感染症
,
混合感染
,
クラミジア・淋菌遺伝子検査
Keyword:
クラミジア・淋菌感染症
,
混合感染
,
クラミジア・淋菌遺伝子検査
pp.1511-1514
発行日 2007年11月30日
Published Date 2007/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101447
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
性行動の低年齢化に伴い,若年者のクラミジア(Chlamydia trachomatis)・淋菌(Neisseria gonorrhoeae)による感染症は増加傾向を示している.婦人科領域での無症候性のクラミジア・淋菌感染症の頻度は高く,これらの混合感染も少なくない.クラミジア・淋菌は性行為感染症(sexually transmitted diseases;STD)の主要な起炎菌であり,STDの蔓延防止のためにもクラミジア・淋菌感染症の早期診断・治療は重要と考えられる.したがって,性器クラミジア・淋菌感染症では確実な検査診断法が必要であり,クラミジア・淋菌遺伝子検査の有用性が期待されている.
現在,わが国で市販されているクラミジア・淋菌の主な遺伝子検査法は,TMA(transcription mediated amplification)法,PCR(polymerase chain reaction)法,SDA(strand displacement amplification)法などによる遺伝子増幅法である.本稿では,これらの遺伝子検査法の測定原理,標的遺伝子,検出感度などについて概説し,クラミジア・淋菌感染症の遺伝子検査の意義について解説する.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.