合併増大号 今月の臨床 産婦人科医のための感染症最新レクチャー
各論 : 生殖医療
性器クラミジア・淋菌感染症と卵管不妊
野口 靖之
1
1愛知医科大学医学部産婦人科学講座
キーワード:
卵管炎
,
卵管水腫
,
異所性妊娠
Keyword:
卵管炎
,
卵管水腫
,
異所性妊娠
pp.34-38
発行日 2024年1月10日
Published Date 2024/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409211127
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●わが国では,コロナ禍においても20代女性の性器クラミジア感染症・淋菌感染症の報告数が増加傾向にある.
●クラミジア・淋菌による子宮頸管炎は,放置すると上行感染して卵管炎を引き起こす.これらによる卵管炎は卵管閉塞や周囲癒着を形成し,卵管不妊だけでなく,卵管妊娠,卵管留水腫の原因になる.
●不妊診療において,クラミジア抗体価の上昇は卵管障害を疑う指標になる.また,帯下異常,下腹部痛,右上腹部痛などの臨床症状,クラミジア抗体検査陽性を認めたら,核酸増幅検査によるクラミジア・淋菌の同時検査を行い,現行感染の有無を確認する.
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