今月の臨床 若年女性の外来診療に役立つ基礎知識
性感染症─クラミジアと淋菌
岩破 一博
1
1京都府立医科大学医学部看護学科医学講座産婦人科
pp.507-513
発行日 2016年6月10日
Published Date 2016/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208797
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●女性では,治療失敗例を放置すると不妊症の原因となるため,感度の高い核酸増幅法により治療効果判定を行う.性器および咽頭にクラミジア(CT)を混合感染することがあるので,淋菌(NG)だけでなく同時にCT検査を行うことが必要である.
●セフトリアキソン(CTRX)は世界的にもNG感染症治療の第1選択薬であるが,CTRX耐性NGの出現と拡散は,NG感染症治療をきわめて困難にすることが危惧される.適切な抗菌薬治療を徹底するためにも,NGの分離同定と薬剤感受性試験の実施が重要になる.薬剤感受性の低下した耐性株の存在から,治療後の治癒判定検査が必要である.
●性成熟前の小児にNG感染症を診た場合,治療と同時に性的虐待の有無を疑う.
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