特集 遺伝子検査―診断とリスクファクター
3.遺伝子診断の実際
1) 悪性腫瘍 (4)肺癌
田島 和雄
1
Kazuo TAJIMA
1
1愛知県がんセンター研究所
キーワード:
肺癌
,
要因
,
予防
Keyword:
肺癌
,
要因
,
予防
pp.1371-1375
発行日 2007年11月30日
Published Date 2007/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101424
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はじめに
日本の肺癌患者の増加数は著しく,悪性新生物による死因のトップは男性では1993年に胃癌を抜き1位となった1).その後も肺癌死亡数は増加を続けており,2006年の死亡数は45,927人(全癌の23.2%)となった.女性でも男性と同様に増加しており,2006年には17,307人となり,胃癌(17,670人)とほぼ肩を並べているので2007年には肺癌が死亡原因の1位になると予測される.人口の高齢化を考慮した肺癌の年齢調整死亡率と年齢調整罹患率の年次推移は,図1に示すとおりである2,3).最近の傾向としては喫煙習慣に関連した扁平上皮癌や小細胞癌の増加傾向は頭打ちになってきたが,相対的に女性に多く発生する腺癌の増加が著しくなってきた(図2)4).本稿ではEGFR(epidermal growth factor receptor)遺伝子変異のみられる腺癌を中心に疫学的特性と遺伝子診断について紹介してみたい.
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