--------------------
あとがき
濱崎 直孝
pp.1266
発行日 2007年11月15日
Published Date 2007/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101379
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
厚生労働省がメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)予防のための健診義務化を発表して以来,医学関連部門ではその準備に大わらわである.医療関係者にとってすらも目新しい言葉であった,“メタボリックシンドローム”という言葉がテレビのコマーシャルにまで登場し,老若男女に広く普及してしまっている.“成人病”が“生活習慣病”に呼び方が変化したように,これからは,“メタボリックシンドローム”が“生活習慣病”に変わって使用される可能性がある.世間的には,“メタボリックシンドローム”を短縮した“メタボ”という言葉が大手を振って通用しているようである.
ともかく,厚生労働省の「プロセス重視の保健指導」から「結果を出す保健指導」への方針転換は,非常に良い方向転換であると考えている.厚生労働省はこの新方針の成果として,医療費削減を主要な目的として掲げているようであるが,そのような小さな(?)意味合いではなく,もっと本質的な重要な医療改革の契機になる可能性があると小生は思っている.予防医学の重要性が謳われてから随分時間が経過しているようであるが,いまだに,現実の医療制度のなかで予防医学を実践できるような体制は構築されていなかったといっても過言ではない.今回のメタボリンクシンドローム健診義務化は,現実の医療の場に予防医学を制度として組み込む契機になる可能性があるし,そこまで進めてゆくべきだと考えている.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.