コーヒーブレイク
師弟の縁
屋形 稔
1
1新潟大学
pp.1202
発行日 2007年11月15日
Published Date 2007/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101374
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昭和24年はわが人生の最良の年といってよいであろう.生涯の師と仰いだ鳥飼龍生先生が40歳の若さでわが母校の内科教授として着任され,初めての弟子として私達同期4名の入門を許可された年であるからである.実際に在任された実年数は8年半にすぎなかったが,次の任地となった仙台の地から数年前他界されるまでの計50年間を師として導いていただいた.
後日私の一生の仕事になった検査医学を含めた臨床医学の真髄を,不肖の弟子に手を取って教えて下さったのみならず人生の処し方まで寡黙の中に教示された師恩は,まさに海山より深く高いものであった.医学界で抜群と目された臨床手腕や,内分泌学の開拓期から全盛期に至る多くの業績は語るまでもない.すべての弟子達が敬慕したのは真似のできない高邁な人柄と,患者や人間に対する優しさであろう.私はキリストや釈尊に直接導かれた弟子達のありがたさに匹敵すると考えている.
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