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長期凍結保存中の尿アルブミンの見かけの喪失:HPLC法と免疫比濁法との比較
鈴木 優治
1
1埼玉県立大学短期大学部
キーワード:
尿アルブミン
,
保存温度
,
安定性
Keyword:
尿アルブミン
,
保存温度
,
安定性
pp.1179
発行日 2007年11月15日
Published Date 2007/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101376
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尿アルブミンの測定は患者の看護や疫学研究などで用いられるが,その際尿試料はしばしば凍結保存される.免疫比濁法により検出された尿蛋白質は-20℃で凍結された試料では30%低下する.この免疫比濁法に代わり,免疫反応性および免疫非反応性のアルブミンを検出できる尿アルブミン評価のためのHPLC法が導入された.著者らはこの方法が試料保存温度,特に凍結により影響されるかどうかについて検討した.尿試料は295例を採取し,新鮮尿,-20℃で4,8,12か月保存後の尿および,-80℃で12か月保存後の尿アルブミンを免疫比濁法およびHPLC法により測定した.免疫比濁法の測定では,平均値は-20℃で4,8,12か月保存後の尿でそれぞれ21%,28%,34%低下し,-80℃で12か月保存後の尿で5%低下した.HPLC法の測定では,平均値は-20℃で4,8,12か月保存後の尿でそれぞれ33%,43%,55%低下し,-80℃で12か月保存後の尿で29%低下した.尿凍結後のアルブミンの喪失は凍結温度だけでなく,検出方法にも依存していた.凍結の影響はHPLC法のほうが大きく,-80℃保存尿であれば,免疫比濁法が適用できる.
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