今月の表紙 腫瘍の細胞診・6
呼吸器腫瘍―2
市川 美雄
1
,
海野 みちる
2
,
坂本 穆彦
2
Yoshio ICHIKAWA
1
,
Michiru UMINO
2
,
Atsuhiko SAKAMOTO
2
1杏林大学医学部附属病院病院病理部
2杏林大学医学部病理学教室
pp.564-566
発行日 2007年6月15日
Published Date 2007/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101230
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呼吸器腫瘍-1では,原発腫瘍の大半を占める扁平上皮癌,腺癌,小細胞癌,大細胞癌について記述した.本稿の呼吸器腫瘍-2では,比較的稀な腫瘍と転移性腫瘍について記述する.
1.腺扁平上皮癌(Adenosquamous carcinoma)
腺癌細胞と扁平上皮癌細胞が混在して出現する(図1).腫瘍細胞は,腺癌および扁平上皮癌の基準を満たすものである.
細胞診では,扁平上皮癌細胞の細胞質内空胞や腺癌細胞の細胞質が好酸性を呈するなどの,変性による細胞質の変化をとらえて,腺扁平上皮癌と診断しないように注意が必要である.また,優位を占める悪性細胞の組織型に目が取られ,少数しかみられない組織型を見落とさないことが重要である.
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