今月の表紙 代表的疾患のマクロ・ミクロ像 悪性腫瘍・9
脳腫瘍のマクロ・ミクロ像
小松 京子
1
,
海野 みちる
2
,
坂本 穆彦
2
Kyoko KOMATSU
1
,
Michiru UMINO
2
,
Atsuhiko SAKAMOTO
2
1杏林大学医学部付属病院病理部
2杏林大学医学部付属病院病理部病理学講座
pp.964-967
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102398
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脳腫瘍の年間発生率は人口10万人当たり10~12人と言われており,半数が原発性,半数が転移性である.年齢や性などによって好発する組織型に違いがみられる.脳腫瘍には神経外胚葉性組織・髄膜・末梢神経・血管・リンパ組織・下垂体・頭蓋骨など様々な発生母地が存在し,組織型も多岐にわたる.WHO分類は最新の知見と考え方を取り入れ2000年に改訂され,国際的標準分類としての地位が確立されている.日本の分類としては,「日本病理学会小児腫瘍組織分類図譜第6篇中枢神経腫瘍」(2001),「脳腫瘍臨床病理カラーアトラス第2版」(1999),「脳腫瘍取扱い規約第2版」(2002)などがあり,いずれもWHO分類に準拠した分類体系を採用している.
本稿では大脳に発生した悪性腫瘍のうち,astrocytic tumor gradeⅣに分類されるglioblastomaと転移性腫瘍(肺原発腺癌)ならびに悪性リンパ腫を解説する.
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