今月の主題 骨粗鬆症と臨床検査
話題
日常生活における骨粗鬆症と健康・食事
白石 弘美
1,2
,
久保 宏隆
2
Hiromi SHIRAISHI
1,2
,
Hirotaka KUBO
2
1東京慈恵会医科大学附属病院栄養部
2聖徳大学人文学部人間栄養学科
キーワード:
カルシウム・パラドックス
,
必要な栄養素のとり方の工夫と相互作用
,
骨の健康セルフチェック
Keyword:
カルシウム・パラドックス
,
必要な栄養素のとり方の工夫と相互作用
,
骨の健康セルフチェック
pp.631-639
発行日 2007年6月15日
Published Date 2007/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101225
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1.はじめに
骨粗鬆症の原因は,国民栄養調査からも栄養素の過不足が指摘されており1),日常生活での不適切な栄養摂取と,運動量の減少が危険因子とされている.骨粗鬆症の発症と合併症の骨折は,個人の社会生活におけるADL(activities of daily living:日常生活活動)とQOL(quality of life:生活の質)を著しく低下させることとなる.21世紀の日本人の平均寿命が世界一の長寿になるに及び,閉経後女性の余命の長期化に伴いADL・QOLの向上,維持には原発性骨粗鬆症(疾患を原因とした2次性骨粗鬆症以外)を予防する必要がある.
この骨粗鬆症によって起こるQOLの低下を,各因子から評価する領域として,①身体面,②機能面,③社会面,④心理面など表12)にまとめたような評価領域の指標が挙げられる.特に骨粗鬆症ではADLの障害が,気分や気持ちに影響を与え,加齢とともに“うつ状態”に陥ることが少なくない.ここでは精神的・健康的な生活を送る目標として,表2に示した「健康日本21」の現状や骨粗鬆症予防のため,日本人の食事摂取基準3)にそった自己管理としての生活習慣全体を見直す栄養・食事管理について考えてみた.
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