今月の主題 脂質
脂質関連物質の作用機序
細胞膜受容体の脂質性リガンド:エイコサノイド,スフィンゴ脂質と新規抗炎症脂質
横溝 岳彦
1
Takehiko YOKOMIZO
1
1九州大学大学院医学研究院医化学分野
キーワード:
アラキドン酸
,
エイコサノイド
,
アスピリン
,
G蛋白質共役型受容体
,
FTY720
,
免疫反応
Keyword:
アラキドン酸
,
エイコサノイド
,
アスピリン
,
G蛋白質共役型受容体
,
FTY720
,
免疫反応
pp.459-468
発行日 2007年5月15日
Published Date 2007/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101194
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
生体内で微量にしか存在せず,半減期も短い生理活性脂質の研究は,分子生物学の手法を駆使した受容体の研究によって飛躍的に進歩してきた.ほとんどの脂質性リガンドは,細胞膜受容体・核内受容体のいずれかに結合してその生理作用を発揮するが,胆汁酸のように両者を利用する生理活性脂質も存在する.質量分析機の技術革新のおかげで,これまでに同定されていなかった新規の生理活性脂質・脂質性リガンドの同定も進んできた.また生理活性脂質の微量定量型の開発は,臨床医学の現場で新規の検査項目として使用可能になるものと思われる.また,受容体欠損マウスの表現型を出発点にした新規の創薬が期待される.〔臨床検査 51:459-468,2007〕
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.