今月の表紙 臨床生理検査・画像検査・10
心疾患―血栓と腫瘍
小野 倫子
1
1自治医科大学臨床検査医学
pp.1072-1073
発行日 2004年10月15日
Published Date 2004/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100577
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1. はじめに
心エコーは,心臓の動きをリアルタイムに観察する検査法で,Bモード断層法,Mモード法,ドプラ(カラー,パルス,連続波)法の3種類から成る.通常は探触子を胸壁から当てる経胸壁心エコー法(transthoracic echocardiography;TTE)を指すが,探触子を食道に挿入して観察する経食道心エコー法(transesophageal echocardiography;TEE)も行われている.
腹部や体表の超音波検査の記録は,写真(静止画)を用いるのに対し,心エコーはビデオ(動画)を用いることが多い.すなわち心臓の“動き”を評価することが心エコーの本質であり,その結果を静止画で伝えることは非常に難しい.したがって今回は種々の心疾患のなかから,静止画でも評価のしやすい血栓と腫瘍に焦点を当てて解説していきたい.
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