特集 血栓症と血小板凝固線溶系検査
血栓性疾患と検査
2.心腔内血栓
三橋 武司
1
,
島田 和幸
1
Takeshi MITSUHASHI
1
,
Kazuyuki SHIMADA
1
1自治医科大学循環器内科
pp.236-239
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903136
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はじめに
心腔内血栓には心臓の中で発生する心内由来の血栓と,心臓外でできた血栓が血流に乗って心内に運ばれた心外由来の血栓がある.
まず心内由来の血栓であるが,心内膜(弁膜も含む)は抗血栓性を有し,心腔内の血流が停滞することなく保たれていれば血栓が生じることは少ない.よって心腔内に血栓が生じるのは心内膜が破壊された場合か,心腔内血流の著明な低下が生じる場合と考えられ,頻度としては後者が圧倒的に多い.前者の代表は人工弁置換術後や感染性心内膜炎であり,後者の代表としては僧房弁狭窄症や人工弁置換術後の左房内血栓や心筋症,心筋梗塞後の左室内血栓がある.
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