特集 外来のあり方を問う—大病院志向の流れは変えられるか
特定機能病院における外来のあり方
大道 久
1
1日本大学医学部医療管理学
pp.296-298
発行日 1993年4月1日
Published Date 1993/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903801
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
医療法の改正により導入された特定機能病院と療養型病床群についての医療費も明らかとなり,新たな施設体系の具体的な運用の姿が定まった.今回の改正に関する論議のうちで最も問題になったもののひとつが,特定機能病院の紹介患者のあり方であった.改正後の政省令の論議は最後まで難航したものの,結局いわゆる紹介率を30%にまで高めるように努力することなどの規定で,一応の決着をみた.
医療法上の扱いとして,特定機能病院が一定の水準の紹介外来患者を診ることと規定したことは,いくつかの問題を残しながらも,我が国の病院の外来のあり方に,制度上の方向を与えたことになったわけで,やはりその意義は大きいと言わなければならない.またその診療報酬において,紹介率30%を上回るものとそうでないものとの間に差をつけて対応したことは,この方向を誘導するうえで少なからぬ要因となることが予想される.ここでは,特定機能病院の外来のあり方について現段階で考えられることについて述べておきたい.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.