MSWの相談窓口から
今あらためて医療社会事業について
沼尻 香代子
1
Kayoko NUMAJIRI
1
1東京厚生年金病院医療社会事業部
pp.559
発行日 1992年6月1日
Published Date 1992/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903773
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MSWと略称されているMedicalSocial Workは,「医療社会事業」と訳されていたが,最近は「医療ソーシャルワーク」として定着してきている.これは誤って用いられている「医療相談」とは異なる社会福祉の一専門分野である.
わが国で伝統的に使われてきた用語「社会事業」は,1950年,「社会福祉」と改められた.「社会福祉とは,国家扶助を受けている者,身体障害者,児童,その他援護育成を要する者が自立して,その能力を発揮できるよう,必要な生活指導,更生指導,その他援護育成を行うことである」と定義され,1951年には,社会事業法においても社会事業という語が改正され,社会福祉事業となった.更に,「社会福祉」の原語であるSocial Welfareは,目的概念や制度体系として用いられ,「社会事業」の原語のSocial Workは,社会福祉遂行の実践方法を表す語として定着し,現在に至っている.従って,医療社会事業ないし医療ソーシャルワークは,社会福祉の実践技術を表す語として使われている訳である.
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