特集 医療連携と病院
医療連携の理想像
寺崎 仁
1
1日本大学医学部医療管理学教室
pp.854-858
発行日 2001年10月1日
Published Date 2001/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903385
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構造改革を声高に叫んだリーダーを,国民は先の参議院選挙で信任したことになるが「聖域なき構造改革」とは,医療や福祉など弱者への公的な保障を含めて大幅に見直すことに他ならない.いわゆる「骨太の方針」には,「豊かな生活とセーフティネットを充実するために」と題して,保険者機能強化を謳い「老人医療費を経済の動向と大きく乖離しないよう抑える」と書いてある.それも「おそれず,ひるまず,とらわれず」実行するとしており,平成14年度予算の概算要求基準でも,老人医療費を人口の高齢化に伴う当初見込みの自然増1兆円が7,000億円に減額され,構造改革による痛みの内容が次第に明らかになりつつある.
医療サービスの効率化が必要なことは多くの人が理解しているが,自由競争を大胆に導入した構造改革を唱える世にいう識者と呼ばれる人々の医療についての発言には,やはり戸惑いを隠せないというのが正直なところである.
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