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鹿児島市立病院はベッド数687床で,1日平均外来患者数1,353人の九州最大の自治体病院であるが,この度,新生児センターの大改築工事を行い,総病床数80床(neonatal intensive care unit:NICU,32床)の日本の公立病院では最大の新生児病棟が発足した.昭和51年の山下家の五つ子誕生を契機として,昭和53年に新生児センター40床を新設し,分娩センターおよび母子保健指導室からなる周産期医療センターを設置した.新生児センターは1,000g未満の超低出生体重児をはじめとする低出生体重児や重症の病的新生児をNICUに収容し,最新の高度新生児医療を行い,新生児の障害なき救命率の向上を図ることを目的にした施設である.また,昭和55年には,二度目の五つ子(上木家)の成育にも成功している.昭和56年4月には20床増床し60床となり,これまでに双子680組,三つ子32組,四つ子3組,五つ子2組を含む未熟児および病的新生児約17,200名を収容してきている.周産期医療3次施設である当センターへの未熟児出産の可能性のあるハイリスク妊娠,異常妊娠例の母体搬送や未熟児,病的新生児の新生児搬送の推進により,その救命率も年々改善されてきた.鹿児島県の母子保健に関する成績は,10年前までは新生児死亡率が日本で最も高かったが,その成績は年々改善されてきており,平成7年度は全国順位で新生児死亡率(1.2/1000)と全国で最も低い死亡率へと出生改善されてきた.
今回の増床は,近年増加してきている未熟児の出生に対応するため,鹿児島県,鹿児島市,医師会などの関係者が協議の上決定した.平成12年2月に改修工事に着手し,同年10月1日から稼働している.センターを全面的に改修し,床面積を900m2から1,200m2へ広げ,NICUを20床増床した.このことにより,受け入れ可能入院数は,年間約700名から約900名となり,大幅に増えたことになる.ベッド数は80床(NICU 32床,NICU以外48床)となり,全国の公的病院の新生児病棟では,日本一の規模である(表1,図1).
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