新しい保健・福祉施設
熊本県菊池広域保健センター
入佐 孝三
1
1菊池広域保健センター
pp.826-827
発行日 1994年11月15日
Published Date 1994/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901155
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1.地域の概要とセンター設立の経緯
菊池広域保健センターは,熊本市の北東に隣接する人口約10万人の農村地帯のほぼ中央に位置している.企業の進出により農家の兼業化が進み,熊本市のベッドタウンとして人口が増加する一方,阿蘇外輪山や大分県に接する中山間地では,人口の高齢化,過疎化が進んでいる.
昭和50年に地域住民の「いのち」を守る拠点として,熊本県菊池郡内6市町村が運営する公立菊池養生園診療所が設立された.成人病健診や養生運動を通じて,自らの健康,いのちを守る意識の向上に成果を上げ,その「医食農運動」は,地域のみならず全国的な注目を浴び,各地から年間1万人を超える研修者が来所するようになった.平成3年,老朽化した施設を改築するにあたり,厚生省が各市町村に1カ所ずつ設置を進めていた保健センターを6市町村で共同で設置し,現存の診療所と連携して,より効率的な幅の広い保健活動をめざすための拠点とすることになった.平成4年4月敷地約9,000坪,床面積2,500平方メートルの菊池広域保健センターが完成し,業務を開始した.
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