特別寄稿
実践から病院情報システムの功罪とそのあり方を考える—7.今後のあるべき医療情報システム—カオス・複雑系医療への序章(その1)
田原 孝
1,2,3
,
日月 裕
4
1日本診療録管理学会
2日本診療情報管理機構
3日本福祉大学
4阪和第二泉北病院情報管理室,麻酔科
pp.128-134
発行日 2001年2月1日
Published Date 2001/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903196
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医療情報システムを病院のマネジメントツールとしてみた場合,残念ながら目覚ましい成果が上がっているとは思えない.医療以外の分野においてはパチンコ業界やコンビニエンスストアの情報システムのように一般にも知れ渡ったマネジメントツールの成功例が多く報告されている.翻って医療界を眺めてみると,それらに比肩し得る成功例をみかけることがないのが現状である.医療界における情報投資が少ないわけではない.毎年のように新しい病院でオーダリングシステムが莫大な投資によって次々と導入されている.さらに最近では,電子カルテシステムを導入している病院も少なからずみられる.それらの華々しい導入紹介に比べ,その導入効果について大きな成果がみられているとは思われない.
将来の情報システムを考える場合,この現状について正確に把握し,その原因について考えておくことが重要である.
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