病院ボランティアの提案—東札幌病院・14
患者の生活空間を快適に・3—癌治療後の生活の不自由さを支える
斉藤 悦子
1
,
石垣 靖子
2
1東札幌病院
2東札幌病院看護部
pp.711
発行日 2000年8月1日
Published Date 2000/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903067
- 有料閲覧
- 文献概要
パウチを優しく覆って
大腸癌患者の増加とともに,最近は人工肛門(ストーマ)による排泄を余儀なくされている人は珍しくなくなった.しかし,ほとんどの患者はストーマを受け入れるまでに様々な心身の困難に遭遇している.
平成9年初夏,まだ40歳代の女性患者Aさんは,他院で大腸癌の手術を受けストーマを造った状態で転院された.若さもあってAさんはストーマをまだ受け入れられず,手入れもぎこちない状況だった.ナースたちはAさんをサポートするためにいろいろな工夫をした.例えばパウチにたまる排泄物が気にならないようにとガーゼで覆う工夫をしたが,動くたびに落ちてしまう.Aさんはそんなナースの期待に応えようと行動を制限するようになってしまった.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.