特集 地域保健計画
保健計画における地域と生活空間
華表 宏有
1
1慶大・衛生学公衆衛生学
pp.567-574
発行日 1969年10月15日
Published Date 1969/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203961
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1970年代を迎えようとしているわが国では,現在全国各地で急速に進んでいる都市化現象が存在する一方,37万平方キロの全土が一体となっていわゆる"情報化社会"をむかえようとしている.本年5月に閣議決定された"新全国総合開発計画"(新全総)1)は,この新時代へ国として対処すべき基本政策のフレームを示したものといえる.この新全総では現在当面している過密,過疎および地域格差の地域課題への考え方を表明すると共に,基本的目標が高福祉社会を目ざして,人間のための豊かな環境を創造することであると,うたっている.
ここで指摘しておきたいことは本稿の主題である"保健計画の立場からみた地域と生活空間"の問題点にも新全総に表明されている問題意識と共通するものが多分にあることである.しかし保健計画は社会開発の主要部分を構成しているものであり,経済開発にみられるマクロ的な分析とは異なり,日常生活に密着したミクロ的な発想と分析が必須のものであることは,あらためていうまでもない.
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