病院管理フォーラム 看護管理=病院のDON・17
平均在院日数と紹介率
小山 秀夫
1
1国立保健医療科学院経営科学部
pp.414-415
発行日 2002年5月1日
Published Date 2002/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903537
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⦿平均在院日数短縮化の衝撃
前回も触れた平成14年4月診療報酬のマイナス改定は,各病院に大きな影響を与える結果となった.夜間看護体制の評価の見直しということで,夜間看護配置10対1に対して新設評価がなされたことは,評価できる.しかし,急性期入院加算の平均在院日数を17日に短縮し,2対1看護の要件を21日以内,2.5対1看護を26日以内に短縮した(実施は平成14年10月以降)ことは,病院の看護経営上の大問題である.平均在院日数が短縮できなければ看護職の増員は行えないばかりか,今まで算定できた加算が算定できなくなれば,病院経営は火の車になる.
平成6年までの旧特Ⅲ看護基準には,平均在院日数30日以内という制限があった.その後,新看護体系では,2対1看護25日,2.5対1看護28日以内という要件がついた.この要件は,入院基本料に継承された.一方,急性期病院加算は,平成10年改定において,平均在院日数を20日以内,紹介率30%以上の病院に対して入院時医学管理料Ⅱ加算として155点が新設され,12年改定で,急性期特定病院加算と急性期病院加算に再区分されたものである.今回の改定は,これらの平均在院日数要件を短縮したもので,平均在院日数短縮化のための経済誘導策である.注意を要するのは,当初,厚生労働省は急性期を16日,2.5対1看護を24日にするように提案していたという事実である.つまり,今後も在院日数短縮化のための経済誘導策が継続されることは,かなりの確率で確実であろう.
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