特集 岐路に立つ中小病院
中小病院の医療と経営の新戦略—病院の機能強化策としての病診連携,共生の理念の確立
野村 秀洋
1
1財団法人慈愛会今村病院
pp.436-438
発行日 1999年5月1日
Published Date 1999/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902699
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1999年になり次々に2000年の医療提供体制の改革案が報告されて,医療界に激震をもたらしている.いよいよ医療ビッグバンの到来である.特に民間の中小病院にとっては厳しい時代を迎えることになる.
本院は内科,外科,産婦人科を主たる診療科とする153床の典型的な都市型中小病院の一つである(表1).中小病院が診療所と大病院の狭間で患者自己負担増の時代に,今後その存在意義を確立して生き残ることは極めて難しいといわざるを得ない.しかしここで重要なことは今診療所や大病院が患者ニーズに完壁に対応しているかということである.大きな問題点を同様に抱えていることも事実である.すなわち診療所も中小病院も大病院も新しいスタートラインに立っているということを認識することがまず大切である.その中において自病院の理念を明確にして「患者主体の医療」を展開することが21世紀の医療を担う医療機関となり得る道である.そのためには誰でもない医師自身が意識改革をすることが第一条件である.
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