私的病院運営のポイント
私的病院の経営理念
堀口 銀二郎
1
1医療法人堀口整形外科病院
pp.77-79
発行日 1977年10月1日
Published Date 1977/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206363
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与えられたテーマは「私的病院の経営理念」ということであるが,もとより私は医療には私的とか公的とかはないものと思っている.むしろあってはならないとさえ思っている.公も私も全く同じ立場で国民の医療を担当すべきで,これが国民の福祉の向上に寄与するものである.こんなことをいうと,何だか聖人ぶってきざに聞こえるかも知れないが,ただ医療に従事するものは,「医療に徹する」ことが,すべての根本であると考えている.
とはいうものの,現在の法律でははっきりと私的病院と公的病院とが区別されている.公的病院は国や地方公共団体の手厚い保護があり,非課税であるが,私的病院には国の補助もなく,重い税金が課せられているのが現状である以上,私も病院経営を考え,借入金の返済や納税に対して少なからず心を痛めていることは否めない.少なくとも設備に対する返済はともかくとして,課税されることは病院の公共性から考えて不可解なものである.
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