特集 岐路に立つ中小病院
中小病院の医療と経営の新戦略—B型肝炎,C型肝炎のキャリアクリニック
清川 勉
1
,
一ノ木 裕
2
1医療法人清川病院
2医療法人清川病院相談室
pp.428-429
発行日 1999年5月1日
Published Date 1999/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902695
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中小病院は子細にみれば,いずれもなんらかの専門病院である.専門病院とするには,それを意識できるかどうかにある.われわれの病院が,専門病院と意識するようになったのは,十数年前であろうか.それは,医療にとって大切なテーマであるが,長期間のフォローと多くの通院回数を要するため,大学病院,大病院では手軽に通院するのには困難であるという理由で,われわれの病院がB型肝炎のキャリアクリニックを始めたことにある.
その後,このクリニックに持ち込まれた仕事は,当時,検査結果だけでは簡単に判定のつかない非A型非B型肝炎の確定診断である.まだC型肝炎のウイルスマーカーが確定しない時代で,トランスアミナーゼが一定の数値以上の方が紹介されてきた.日本赤十字社の献血者に献血時の検査結果を報告するサービスが行われた結果でもあった.この紹介による初診患者が月に40〜50名はあり,さらに,日本赤十字血液センターを柱に紹介を受ける先も次々と広がった.
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