連載 アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第50回
日米医療施設の比較分析
ヴィクトリア S.ダグラス
1
1オレゴン州立大学アパレル・インテリア・ハウジング・マーチャンダイズ学部
pp.1151-1153
発行日 1998年12月1日
Published Date 1998/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902584
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
日米の医療施設:社会的背景の比較
今日,ヘルスケアは建築において最も重要な分野の一つである.医療施設のデザインはこの100年間で大きく変化し,来世紀にも変わっていく.環境は患者の健康状態に外科学的,解剖学的,生理学的にも,副作用,合併症などにも影響することが明らかになっているが10),これまで患者のケアよりも機能性が優先され,患者,スタッフともにストレスを与える無味乾燥な医療施設が作られてきた.貧困なデザインからくるストレスは心配性や憂鬱,高血圧,引きこもりにもつながるという12,13).
日米はともに先進工業国であり,経済的にも急成長してきた.生活水準は高く,ハイテク化しており,人口が高齢化している点も共通するが,ヘルスケアは異なった発達をしてきた.その理由としては人種構成,医療費用の負担者,訴訟に関する習慣の違いなどがあげられる.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.