特別寄稿
リハビリテーション専門病床群の制度化に向けて—都市型リハの実践を通じて
皆川 晃慶
1,2
1千葉徳洲会病院
2日本リハビリテーション病院・施設協会医療保険小委員会
pp.719-723
発行日 1998年8月1日
Published Date 1998/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902473
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
平成10年度診療報酬改定の内容は公的介護保険の導入をはじめとする今後の医療制度改革の厚生省の基本方針を示している.全体としては国家財政の破綻に伴う構造改革の見直しを受けて,過去20年間に例のないマイナス改定という厳しいものになっている.
リハビリテーション(以下,リハ)部門でみると,老人総合計画評価料の新設や,寝たきり老人在宅総合診療科,24時間連携体制加算の新設など,今後の高齢化社会の到来に向けた改善策も組み入れられている.しかしながら,長期入院の是正を図るため,新看護料の届け出要件である平均在院日数に新たな制限がつけられている.これは,脳卒中や脊髄損傷のような長期の入院期間を必要とするリハを一般病院で行うことを困難にするものであり,また,一般病院としてリハ専門医療を展開してきたいわゆるリハ専門病院に対し,療養型病床群への転換を迫るものである.療養型病床群はハード面に限ればリハにとって理想的な基準となっている.しかし,看護,介護,理学療法士(PT),作業療法士(OT),言語療法士(ST),医療ソーシャルワーカー(MSW)の必要人員など,良質のリハの提供には必須のソフト面においては十分な条件を満たしていない.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.