特集 “急性期包括化”の流れを追う—医療保険改革の中で看護は
医療費支払い方式のこれまでとこれから
野村 陽子
1
1厚生省保険局医療課
pp.215-220
発行日 1998年3月1日
Published Date 1998/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905541
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はじめに
1997(平成9)年9月に患者負担が引き上げられ,外来患者数が減少していると言われている.患者負担や保険料率の引き上げられた背景には,医療費の伸びが著しく,このままでは医療財源が赤字になるという深刻な問題が起きていた.そして医療サービスを現状のまま提供し続けると1, 2年後にはふたたび患者負担の増加や保険料の引き上げを行なう必要があるという予測が出され,早急に医療の提供体制,診療報酬体系,薬価基準制度の見直しを行なうことになった.
そこで出てきた解決策の1つが,医療費の支払い方式の見直しである.医療サービスに直接携わっている看護職の方々は,医療費の支払われ方やそれによる医療サービスへの影響はあまり感じておられないかもしれないが,医療費の支払い方式は医療の仕組みの根幹であり,大きな影響を及ぼしていることから,本稿ではこの支払い方式について少し詳しくふれてみたいと思う.
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