特集 医療の標準化を考える
医療の質と標準化をめぐって—その背景と根拠
久繁 哲徳
1
1徳島大学医学部衛生学講座
pp.508-513
発行日 1998年6月1日
Published Date 1998/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902426
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医療費抑制から医療の質の改善へ
医療費高騰を主要な契機として,先進諸国の保健医療システムは大きな転換点を迎え,「保健医療改革」(healthcare reform)が,それぞれの国で進められている1,2).わが国も例外ではなく,医療保険制度の構造改革が検討されている.
こうした保健医療改革は,国全体の財政的対策などのマクロ管理が底をついた後,ミクロ管理へと政策転換が行われ始めた.その中心となるのが,競争原理を導入する「構造改革」(structural reform)であり,医療提供者,医療費支払者,消費者に効率的な保健医療選択の動機付けを行うところに焦点がある3).
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