特集 医療の標準化を考える
レセプト情報と医療の標準化
滝口 進
1
1東京女子医科大学第2外科,株式会社エム・エイチ・アイ・ラボラトリー
pp.528-533
発行日 1998年6月1日
Published Date 1998/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902430
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われわれは,1989年以来,健康保険組合のコンサルタントとして,専門的な立場から様々な問題に対処してきているが,殊に診療報酬請求明細書(以下,レセプト)の内容に関する意見を求められることが多く,現在ではこのレセプトの点検・審査がわれわれの主要な業務の一つとなりつつある.
そもそも健康保険組合は,保険者としてこのレセプトの点検審査を法律によって義務づけられている.健康保険法第43条の91)では「保険者ハ—中略—之ヲ審査シタル上支払フモノトス」とあり,さらに「前項ノ規定ニ依ル審査及支払ニ関スル事務ヲ社会保険診療支払基金ニ委託スルコトヲ得,」となっている.これを受けて昭和23年8月5日の保発第29号で,厚生省社会局保険局長から各健康保険組合理事長あての通牒で,審査支払は支払基金とすること,支払基金との契約は健康保険組合連合会が行い,個々の組合は不要であることを指示している.これに基づいて現在は,レセプトの審査に関する権限は事実上支払基金にあり,請求側・支払側および学識者の三者で構成された審査委員会で毎月審査が行われている.
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