医療の質の評価と改善 組織・運営・戦略におけるトータル・クォリティー・9
医療経営革新(TQM,リエンジニアリング)のための基本機能—問題解決志向のチーム活動
今中 雄一
1
1九州大学大学院医学系研究科医療システム学教室
pp.1055-1057
発行日 1997年11月1日
Published Date 1997/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902267
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TQMとTQC
問題解決志向のチーム活動は、トータル・クォリティー・マネージメント,リエンジニアリング,あるいは経営革新において,基本的な機能である.病院など医療提供組織に,そういったチーム活動を実行し推進する人々,技術,文化があるか,が問われている.国際的に医療において進んでいるTQMの経営枠組みのなかで,質改善,業務改善のためのチーム活動は,PIT (performanceimprovement team)など様々な名称で呼ばれている.日本科学技術連盟(以下,日科技連)でいうところのQCサークルはその一つの基本型である.米国の医療施設認定合同委員会JCAHOの訪問審査でも,複数のチームの改善実績が発表され評価される仕組みになっている.
品質管理,すなわちQC (quality control)とは1),「顧客の要求する品質を確保すべく組織の品質目標を定め,これを合理的かつ経済的に達成するもの」であり,これを効果的に実施するために,組織の活動の全部門,全段階にわたり,経営者から第一線まで全員の参加と協力をもって実施するのが,総合的品質管理(TQC;total quality control)である.TQCは,そもそもは組織の体質の継続的な強化を目指していたのだが,製造業においてQCサークル(特に旧型のもの)による定型的業務の要素の改善の積重ねに重点があるといった印象が強い.
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