特集 特定療養費制度の功罪
当院における特定療養費制度の活用
高度先進医療(ガンマナイフ)の活用
中村 順一
1
1医療法人医仁会中村記念病院
pp.456-457
発行日 1995年5月1日
Published Date 1995/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901509
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はじめに
当院では,脳神経外科領域の専門病院として開設して以来,常に最新鋭の診断機器や治療装置を導入し,地域医療の充実に心がけてきた.1991年5月には,新たにガンマユニットによる定位放射線治療(以下,ガンマナィフと略す.図1)を国内での普及に先駆けて導入した.近年脳神経外料領域は,手術顕微鏡の導入により,急速な進歩を遂げているが,未だに到達不可能な病巣部位が存在し,これらに対する治療装置としてガンマナイフが注目されてきた.ガンマナイフは1968年スウェーデンのカロリンスカ病院でLars Lek—sell教授により始められた.当初はパーキンソン病などの機能的疾患が対象とされたが,その後,脳深部の脳動脈奇形や聴神経腫瘍などの症例に応用され,良好な結果が得られたことから世界的にも普及しつつある.
現在まで全世界で2万人以上の患者に対してこの装置による治療が施行されている.本稿では当院におけるガンマナイフの導入から本治療に対する特定療養費制度の活用に至る経緯,この制度の現状と将来への期待等について述べたい.
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