特集 ボランティアと病院—開かれた病院づくり
専門職ボランティアの可能性
看護ボランティアを経てホームナーシングの可能性を追求
高林 澄子
1
1ひょうごホームナーシング研究センター
pp.159-162
発行日 1995年2月1日
Published Date 1995/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901442
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はじめに
専門職ボランティアという言葉を最初に使用したのはストラウス1)で,彼の考え方は,「資格を持った者が,その資格を通して社会参加する」といったボランティア活動を意味している.ちょうど1973年に,社会福祉学会の席において,筆者が「訪問看護ボランティア」に関する発表をした際に,この言葉を使用したことで,社会福祉学の研究者たちから,大変な質問を受ける羽目になった.
医療現場での職歴が長い筆者は,入院中の患者に対しては看護婦をはじめとしたチームの実践者が,具体的に見える支援活動をしているが,一方,地域で主体的に生活している人たちが介護を要するようになった時,具体的に誰がどのように支援するのか,全く見えないことを実感した.そこで,専門の知識や技術を活用して,障害を持って自宅で生活している独居老人や,家族の援助で自宅療養を継続している障害者を対象に,看護学生とチームをつくり,訪問看護ボランティアを開始した.これが「訪問看護ボランティア」のはじまりである.
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