特集 ボランティアと病院—開かれた病院づくり
病院訪問ボランティアが乳がん患者の社会復帰を支援—あけぼの会が聖路加国際病院で始めた新たな試み
ワット 隆子
1
,
玉橋 容子
2
1あけぼの会
2聖路加国際病院
pp.137-145
発行日 1995年2月1日
Published Date 1995/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901438
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ボランティアの立場から
あけぼの会と病院訪問ボランティア
あけぼの会は1978年10月に発足した乳がん体験者の全国組織で,各都道府県に36の支部(北海道は2つ)があり,会員が3,564人(1994年11月末現在)いる.支部のない県は北から,青森,岩手,山形,群馬,山梨,富山,石川,福井,岐阜,高知,山口,大分の12で,総じて人口密度の低い,産業振興が比較的ゆるやかでおとなしい県と言えるのではなかろうか.これらの県の会員数は20以下,高知が3で最小である.支部といっても,別に条件があるわけではなく,1人のまとめ役がいれば,すぐにその人が県支部連絡先になり,スタートする.
今年生まれた鳥取支部も会員が従来少なかったが,支部結成講演会を機に6人増え,一挙に倍増,12人になった.会長の私が地方に出向く折,地元の会員を通して地方紙に案内を出してもらい,講演会や体験発表会をすると大体,その場で支部ができるのが常だ.だが,自分の名前と電話番号が公けにされるのが厭という理由で引き受け手がないところもあり,やはりまだまだ地域によってはがんの偏見視が残っていることを実感させられる.
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