主張
中小病院の選択肢
N
pp.981
発行日 1994年11月1日
Published Date 1994/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901361
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平成6年10月1日からの診療報酬の改定が実施された.本年は4月1日改定後健康保険法の改正を受けての変則改定であった.この改定の財源には入院時食事療養費制度の創設により患者負担で求められた平年度約3,000億円が当てられている.この財源を見込んで平成7年度末までに付添看護,介護の全廃を目指し,新看護体系と新看護補助体系を創設し,現存する基準看護制度より徐々にシフトしようとするものである.これと共に約500億円が在宅医療の充実,入院中の食事の改善に振り向けられている.すでに4月改定で基準寝具制度は入院療養環境料に包括されており,10月からの基準給食制度の廃止,近い将来解消に向かっている基準看護制度と三基準がすべてなくなる訳である.
さて,10月改定が病院医療にどのように影響を及ぼすであろうか.まず給食自己負担の導入とともに給食の質の向上は避けて通れない.今まで画一的であった病院給食により患者のニーズが強くなることは明白である.選択メニュー加算,食堂加算が評価されたことの他に特定療養費を使っての差額給食の提供も増加するであろう.療養環境における特定療養費の導入は4月改定ですでに一定の条件下で全病床の50%まで可能になっている.また予約診療においても大きく門戸が開かれたのであるが,いずれにせよ患者負担の増加により可能な増収であるから,受療者の納得を得ることが欠かせない.
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